M&A業界
2026.06.16

【2026年最新版】M&A業界の年収はなぜ高い?現実の実態と未経験から「本当に稼ぐ」ための全知識

更新日:2026/06/16

監修者

Right Brothers株式会社 代表取締役

高野 匠|Takano Tkumi

大学卒業後、人材教育コンサルタント・注文住宅セールスを経て、株式会社日本M&Aセンターへ入社。M&Aアドバイザーとして5年間従事し、多数の案件成約に携わるとともに複数の社内表彰を獲得。2018年にRight Brothers株式会社を創業し、M&A・HR領域を中心に複数の事業を展開。M&A業界専門エージェントとして業界MVPを3年連続で受賞。日本M&Aセンターへの内定支援実績も豊富。

「M&A業界に転職すれば、20代で年収数千万円を稼げるらしい」「平均年収ランキングで常に上位にいるけれど、実態はどうなっているのだろうか?」 M&A業界への転職を検討している方であれば、一度はこのような疑問を抱いたことがあるのではないでしょうか。

確かに、M&A業界は全業種の中でもトップクラスの平均年収を誇り、年収1,000万円はもちろん、数千万円から1億円プレイヤーまで存在する夢のある業界です。しかし、高い年収ばかりが注目される一方で、「なぜそれほどまでに年収が高いのか」「インセンティブの裏側はどうなっているのか」「未経験から入社して、誰もが本当に稼げるのか」といった”リアルな真実”については、十分に語られていません。

本記事では、M&A仲介会社・アドバイザリーの平均年収ランキング、年齢別の年収水準、高い報酬が支払われる理由といった基本情報はもちろんのこと、第一線で活躍するプロの生の声(現場の真実)を軸に、インセンティブの仕組みや1年目に待ち受ける厳しい現実までを完全に網羅しました。

M&A業界を希望する転職者の方が、入社後のギャップに苦しむことなく、真の意味で「稼げる人材」になるためのガイドブックとして、ぜひ最後までお読みください。

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1. M&A業界の年収は本当に高い?他業種との比較とリアルな割合

他業種との平均年収の比較と中央値

M&A業界は、他の業種と比較して非常に高い年収水準にあります。日本の会社員・公務員の平均年収は約460万円とされていますが、業種別に比較すると以下のようになります。

業種別 平均年収比較

M&A業界

650〜800万円

建設

400〜700万円

広告

400〜700万円

メーカー

450〜600万円

総合商社

450〜600万円

医療

400〜500万円(医師の場合は1,000万円以上)

IT・通信

400〜450万円

小売・サービス業

350〜500万円

また、平均年収は一部の高所得者によって引き上げられることがあるため、実感に近い「中央値」で見ることが重要です。日本国内の正社員の平均年収(全業種)が414万円であるのに対し、中央値は360万円です。

M&A業界の平均年収を700万円とした場合、中央値はおよそ608万円程度と推測されます。

高年収のリアルな割合(1000万円・2000万円プレイヤーの実態)

M&A業界では「簡単に数千万円稼げる」と誤解されがちですが、現実は甘くありません。日本の労働人口全体において、年収1,000万円を超えている人は約5.5%しかいません。

しかし、M&A業界においては、この割合が大きく跳ね上がり、全体の50%〜60%程度が年収1,000万円に到達していると言われています。

さらに、年収2,000万円を超える割合となると、一般の労働市場では0.6%(約200人に1人)以下という非常に狭き門ですが、M&A業界では10%〜20%程度の人が年収2,000万円以上を得ていると推測されます。

誰もが簡単に稼げるわけではありませんが、努力次第で高確率で高年収を狙える環境であることは間違いありません。

2. 競合他社比較!M&A仲介会社・アドバイザリーの平均年収ランキングと年収モデル

上場しているM&A仲介大手などの有価証券報告書等に基づくと、全業界の中でも最高水準の平均年収となっています。各社の特徴と年収モデルを見ていきましょう。

株式会社M&A総合研究所
平均年収:2,894万円

特徴:DXやAI技術を駆使した効率的なマッチングに強みがあります。業界未経験で入社した社員の約70%が1年以内に成約実績を上げており、入社1.5年以内では約80%が3件以上の成約を達成しています。

年収モデル例:
27歳・入社1年目:基本給420万円+インセンティブ480万円=900万円
34歳・入社3年目:基本給1,200万円+インセンティブ2,440万円=3,640万円

M&Aキャピタルパートナーズ株式会社
平均年収:2,277万円〜2,278万円

特徴:「レーマン方式」という明瞭な報酬体系を採用し、買い手・売り手双方から同じ料率で手数料を徴収します。平均株式譲渡額は約10.9億円にのぼり、大型案件を手がけることも多いため、圧倒的な高年収を誇ります。

年収モデル例:
在籍3年未満:年収4,200万円(うち賞与3,000万円等)
在籍5〜10年:年収4,200万円(基本給月50万円+賞与3,600万円)

インテグループ株式会社
平均年収:1,800万円

特徴:中堅・中小企業のM&Aに特化した独立系仲介会社です。コンサルティングから企業価値評価、クロージングまでを一気通貫で支援する少数精鋭体制が特徴です。

年収モデル例:
在籍3〜5年:年収4,000万円(基本給月60万円+賞与3,280万円)

株式会社ストライク
平均年収:1,608万円〜1,609万円

特徴:公認会計士・税理士出身者などが中心となる高度な専門チームによるサービス提供が強みです。独自のオンラインプラットフォーム「SMART」を活用しています。

年収モデル例:
在籍3〜5年:年収3,200万円(基本給月50万円+賞与2,600万円)

株式会社日本M&Aセンターホールディングス
平均年収:1,182万円〜1,243万円

特徴:中小企業M&Aのパイオニア的存在であり、全国の金融機関とのアライアンスを通して豊富な実績を持ちます。未経験者や新卒採用にも力を入れています。

年収モデル例:
在籍5〜10年:年収2,000万円(基本給月75万円+賞与1,100万円)

年齢別に見た年収水準の推移

新卒でM&A仲介会社に入社した場合の一般的な年齢別モデルは以下のようになります。

年齢別 年収水準の推移(新卒入社モデル)

20代前半

400万円

20代後半

950万円

30代前半

1,000万円

40代前半

1,200万円

50代前半

1,500万円

30代に入る段階で一気に1,000万円の大台を突破し、その後は実績に応じて緩やかに増加していく傾向にあります。

3. M&A業界の年収が圧倒的に高い3つの理由

なぜ、M&A業界はこれほどまでに高い報酬を支払うことができるのでしょうか。

理由①:利益率が高いビジネスモデル

M&A仲介業は、製造業のような大規模な工場設備や原材料費を必要としません。主なコストは専門知識を持つ人材の「人件費」であり、少ない元手で大きな利益を生み出す構造になっています。そのため、会社の利益をそのまま社員の給与(インセンティブ)として還元しやすいという特徴があります。例えば、日本M&Aセンターの営業利益率は約37.9%(2025年3月期)であり、全業界平均の約5%と比較すると非常に高い利益率を誇ります。

理由②:上限のない成果報酬(インセンティブ)の体系

M&Aアドバイザーは、案件を成立させることで上限のない高額なインセンティブを得られる設計になっています。1件のM&Aが成約すると、数億円から数十億円という大きなお金が動くため、会社に入る手数料も高額になります。その結果、企業価値評価からマッチング、交渉といった負荷の高い業務を完遂した担当者に、多額の成果報酬が還元されるのです。

理由③:専門知識とスキルの希少性、および市場の急成長

M&Aには、財務、法務、税務といった高度な専門知識に加え、企業の経営者と対等に渡り合うコミュニケーション能力と交渉力が求められます。このような高度なスキルを持つ人材は希少であるため、優秀な人材を確保・定着させるために高い報酬が設定されています。さらに、経営者の高齢化に伴う事業承継問題や、企業の成長戦略としてのM&Aニーズが急速に高まっており、市場全体が拡大し続けていることも年収を押し上げる要因となっています。

4. 【現場の真実】M&A業界の年収モデル・インセンティブの裏側を暴露

ここまでは表向きの華やかなデータを見てきましたが、実際の報酬体系はどのようになっているのでしょうか。業界の最前線を知る専門家の声をもとに、インセンティブの「真実」を解説します。

固定給は下がる覚悟が必要

M&A業界の年収モデルは、基本的に「固定給+インセンティブ」で構成されています。転職を検討する際、「固定給が下がってもインセンティブで稼げるから大丈夫」と考えがちですが、現実には固定給が前職から下がり、500万円前後(月給にして35万〜40万円程度)に設定されるケースがほとんどです。成約がゼロであれば、年収はこの固定給のみとなり、非常に厳しい状況になるリスクがあります。

インセンティブ支給における3つのルール

各社によってインセンティブの計算方法には明確なルールがあり、これを知らずに入社すると痛い目を見ます。

① 予算性(ノルマ達成型)

年初に会社から「年間〇〇円の売上を達成しなさい」という予算(ノルマ)が設定されます。この予算を達成して初めて、それ以上の売上に対してインセンティブが支払われる仕組みです。

② アドオン(固定給差し引きなし)
社員に有利

例えば固定給が500万円、インセンティブが1,000万円発生した場合、そのまま合算されて年収1,500万円となる、社員にとって最もありがたいシステムです。

③ アドオフ(固定給の差し引き)
注意

発生したインセンティブの総額から、自身の固定給分が差し引かれて支給される仕組みです。インセンティブが1,000万円で固定給が500万円の場合、支給されるのは実質500万円となり、年収はトータルで1,000万円となります。

また、企業によっては「1件目の成約はインセンティブなし」や、成約件数が増えるごとにインセンティブ料率が10%から最大40〜50%へ上がっていく仕組みを採用しているところもあります。面接時には、これらの給与体系についてしっかりと確認することが重要です。

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5. 未経験からM&A業界で「本当に稼げる人」になるための必須条件とスキル

「M&A業界に入れば稼げる」という甘い考えは捨てなければなりません。入社して1週間で辞めてしまう人もいるほど過酷な環境の中で、稼げる人材になるための絶対条件を解説します。

1年目の最重要ミッションは「アポイントの獲得」

M&Aはストックビジネスではなく、案件が決まらなければ売上が立たないフロービジネスです。しかも、1件の案件にかかる期間が長く、成約率も決して高くありません。

未経験者が入社してすぐに、企業価値評価(バリュエーション)や高度な交渉(エグゼキューション)ができるわけがありません。したがって、1年目や2年目の社員にとって最も価値のある仕事は、圧倒的な数の「アポイントを取ること」です。

電話(テレアポ)やDM、手紙などを駆使して、会社を売却したい、あるいは買収したいと考えている経営者を探し出す集客活動ができなければ、そもそもM&Aの土俵にすら上がれません。

「営業マンは営業に集中したい」「高度なコンサルティングがしたい」と、複雑な業務(エグゼキューション)ばかりに目を向ける人は売上が上がらず、結果的に稼げません。電話でのテレアポは非常に確率が低く、0.3%程度とも言われているため、まずは泥臭く1日に何本も電話をかけ、地道にアポイントを獲得し続ける愚直さが求められます。

必須となるスキルと資格

M&Aアドバイザリー業務には必須の資格はありませんが、経営者からの信頼を得て円滑に業務を進めるために、以下のようなスキルや資格が非常に役立ちます。

対人スキル・コミュニケーション能力:企業のトップである経営者に寄り添い、信頼関係を築く力。双方の利害を調整する高度な交渉力。

財務・法務知識:財務諸表(PL・BS・CF)の分析、企業価値評価(バリュエーション)、株式譲渡契約(SPA)などの理解。

有利になる資格:公認会計士、税理士、中小企業診断士、日商簿記2級、証券アナリストなど。クロスボーダー案件を狙うならTOEIC800点以上の英語力も求められます。

6. M&A業界への転職を成功させるための具体的なステップ

M&A業界は人気が高く、転職難易度も非常に高いです。転職を成功させ、理想のキャリアを築くためには以下のステップを踏みましょう。

STEP 1
実績を残す
現職で圧倒的な実績を残す
M&Aの営業先は百戦錬磨の経営者です。そのため、現職の営業等で同期や全社員の中でトップ5%から10%以内に入るような、目に見える圧倒的な実績を残していることが評価の前提となります。
STEP 2
知識・資格
M&Aに関連する基礎知識・資格の取得
未経験であっても、簿記2級などの財務知識をあらかじめ身につけておくことで、熱意とベースとなる能力をアピールできます。
STEP 3
エージェント
M&A業界に強い転職エージェントの活用
専門性が高く情報がブラックボックス化されている業界のため、書類作成や面接対策は一人では限界があります。企業のリアルな給与体系やカルチャーを把握しており、独自の選考ルートを持つ業界特化型の転職エージェントを活用することが、内定率を高める鍵です。
STEP 4
家族と相談
家族との相談と覚悟(既婚者の場合)
固定給が下がるリスクや労働環境の厳しさがあるため、家族がいる場合は住宅ローンや生活費のシミュレーションを行い、慎重に決断する必要があります。エージェントに忖度なく相談し、場合によっては現職に留まるという選択も視野に入れましょう。

7. まとめ

M&A業界の年収は、全業界でもトップクラスであり、20代で数千万円から1億円以上を稼ぐことも可能な、大きな夢のある世界です。利益率の高いビジネスモデルと、青天井のインセンティブ制度がそれを可能にしています。

しかし、その裏側には「下がった固定給」「厳しい予算制度」「泥臭いアポイント獲得の日々」という現実が待ち受けています。誰もが簡単に1,000万円を稼げるわけではなく、圧倒的な行動量で経営者との接点を作り出し、複雑な利害を調整できる実力者だけが、その恩恵を享受できるのです。

とはいえ、企業の未来を左右し、事業承継という社会課題の解決に直接貢献できる仕事は、他では得られないほどの大きな達成感とやりがいを与えてくれます。 もしあなたが、自身の営業力や行動力に絶対の自信を持ち、リスクを取ってでも圧倒的な成長と報酬を手にしたいと覚悟を決めたなら、M&A業界はこれ以上ない最高のステージとなるでしょう。まずは、M&A業界に精通した転職エージェントに相談し、自身の市場価値と適性を確認するところから、新たなキャリアの一歩を踏み出してみてください。

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