更新日:2025/06/23
今、M&A業界が転職市場で注目を集めています。しかしその一方で、「何を基準に会社を選べば良いのか分からない」「この業界で長く働けるのか不安」といった声も多く聞かれます。
今回は、そんな疑問を解消すべく、M&A業界の第一線で活躍するByside株式会社、M&Aロイヤルアドバイザリー株式会社、X Mile株式会社の人事キーパーソンをお招きし、Right Brothers代表取締役 高野が採用現場のリアルと、業界の今、そして未来について深掘りしました。
この記事では、M&A業界を志望する方にとって有益な情報をお届けします。
登壇者:
田辺さん(Byside株式会社)
森さん(M&Aロイヤルアドバイザリー株式会社)
伊藤さん(X Mile株式会社)
採用現場のリアル:「私たちはここを見ています」
高野:まずは皆さん、採用時にどんな点を特に重視されていますか?
田辺さん(Byside)
「業界に来る理由が“お金を稼ぎたい”だけだと厳しいです。もちろんモチベーションの一部ではあるべきですが、それだけではやっていけません。特に当社のようなベンチャーでは、理念や事業に共感し、泥臭く向き合える人材が求められます。」
森さん(M&Aロイヤルアドバイザリー)
「第一印象は思っている以上に重要です。身だしなみも含めて、“この人はお客様と会って恥ずかしくないか?”という目線で見ています。また、自社の教育制度に期待しすぎる受け身の人は、実は合わないことが多いですね。」
伊藤さん(X Mile)
「当社の場合、M&A仲介という業務における“覚悟感”を特に見ています。この仕事は、入社したらすぐに成果が出るような華やかな世界ではありません。最低でも1〜2年かけて地道に力をつける必要があります。面接では、その期間をどう乗り越えるか、計画を持って語れるかを確認します。」
“自走力”のない人材は苦戦する
高野:皆さんのお話を伺っていると、スキルや経験よりも“自分で動けるかどうか”を重視されている印象を受けます。いわゆる「自走力」ですね。
森さん(M&Aロイヤルアドバイザリー)
まさにそうですね。面接でよくある志望動機に「教育制度が充実しているから成長できると思いました」という声がありますが、それだけだと少し危ういなと感じていて。
高野
一見ポジティブな理由に思えますが、なぜ危ういのでしょう?
森さん
受け身なんです。教えてもらうのを待っている姿勢だと、正直うちでは伸びにくい。現場では、自分から「これは何だろう?」と掘っていける人が成長していますね。
田辺さん(Byside)
僕も同感です。志望動機に「稼ぎたい」があるのはもちろんOKなんです。でも、それだけじゃダメで。“会社の目指す方向と自分の考えが合っているか”──つまり、共感軸と行動力の両方がないと、やっぱりミスマッチになってしまいます。
伊藤さん(X Mile)
あとは、何かを始める前に「これで本当に正しいのか?」と自分で考えてから動ける人。それがあるかないかで、立ち上がりのスピードもまったく違ってきますね。
高野
なるほど。M&A業界で活躍するには、“指示を待たずに動けるマインド”が求められるというわけですね。
業界の現在地:「淘汰の時代」に入ったM&A業界
高野:最近は、M&A業界全体に不安を持つ求職者も多いようです。皆さんは今の業界をどう見ていますか?
田辺さん(Byside)
「この1年は明らかに逆風でした。悪質な事業者が増え、ガイドラインも厳しくなっています。今後は“ちゃんとルールを守れる会社”しか残っていかない。そうした意味で、我々のような“仕組み化”と“誠実な運営”をしてきた会社にとってはむしろ追い風だと捉えています。」
森さん(M&Aロイヤルアドバイザリー)
「弊社は設立4年目ですが、創業当初から社内ルールやガイドラインの整備に力を入れてきました。今まさに“本当に信頼される会社かどうか”が問われている時期です。そういう意味で、今後は企業選びがより重要になりますね。」
伊藤さん(X Mile)
「M&A仲介の責任は以前より重くなっています。私たちはもともと人材紹介やサース事業もやっており、物流・建設といった後継者不足業界に深く関わっている分、M&Aでも顧客に迷惑は絶対かけられない。業界全体がより誠実さと専門性を問われるフェーズに入ってきたと感じます。」
“M&A仲介会社”の見極め方とは?
高野:では、求職者が「ちゃんとした会社かどうか」を見極めるには、どこを見ればいいのでしょう?
田辺さん(Byside)
「現場でしっかり指導できる人材がいるか、実績のある上司がいるかを確認してみてください。いきなり“明日から電話してこい”という会社は、育成に不安があるかもしれません。」
森さん(M&Aロイヤルアドバイザリー)
「我々は、必ず経験豊富な部長が同行し、未経験者をしっかりサポートする仕組みを整えています。こうした育成体制や、オーナー様との接点をどう大切にしているかは、判断基準になります。」
伊藤さん(X Mile)
「どの業界に特化しているのか、どんな関連事業を展開しているかもヒントになります。X Mileでは物流・建設に深く関わってきたノウハウがあるからこそ、M&Aにも活かせる体制を整えています。」
各社からのメッセージ:求める人物像と今後の展望
田辺さん(Byside)
「当社は“買い手専門”というポジションを強みに、現在IPOに向けて本格的に動いています。まだまだ少数精鋭ですが、志ある方と一緒に成長していきたいですね。」
森さん(M&Aロイヤルアドバイザリー)
「アドバイザー職はもちろん、マッチングやDD支援など、多様なポジションで採用を強化中。『こんなスキルで大丈夫?』と不安な方も、まずは相談してみてほしいです。」
伊藤さん(X Mile)
「今はまさに組織拡大のフェーズ。物流・建設などの業界特化型M&Aを通じて、社会的課題にも挑んでいます。未来の柱となるM&A事業を一緒に育てていきたいです。」
覚悟と見極めが、業界で生きる鍵になる
M&A業界で成功するには、“共感力”と“自走力”、そして“信頼される誠実さ”が求められます。
その一方で、働く会社の選び方を間違えると、せっかくのチャンスも活かしきれません。
3人のプロフェッショナルが語ってくれたように、育成環境、事業の透明性、そして現場力。
この3点を軸に、皆さんが“ちゃんとした会社”を見つけ、覚悟を持って飛び込んでいくことを、私たちライトブラザーズは全力で応援します。
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