更新日:2025/07/09
M&A(企業の合併・買収)は、日本において事業承継問題の解決手法として重要性を増すと同時に、スタートアップやミッドキャップ企業の成長支援の手段としても注目されています。
本記事では、M&A業界の概要から実務内容、転職を検討する際のメリット・デメリット、業界に向いている人材像、そしてその後のキャリア展望まで、未経験者にもわかりやすく解説します。
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M&A業界とは何か?歴史と今を知る
事業承継からスタートアップ支援まで、日本のM&Aの歩みと現状
日本のM&A業界は、かつて“事業承継”という社会問題を背景に形成されました。相続税が高額に設定されていた時代に、経営者が会社を次世代に引き継ぐ際の負担を軽減する効果的な手段として「M&A」が注目されたのが始まりです。
税制対策と経営権の円滑な移転という2つの課題を同時に解決できる点が評価され、業界は急速に発展しました。そしてそれから30年以上が経過し、今ではM&Aはスタートアップ売却やミッドキャップ企業の再編にも幅広く利用されるようになりました。
国策としてもM&A推進が掲げられ、特に若手経営者にとっては資産形成や企業成長の戦略手段として活用されています。近年、M&Aの認知度は企業経営層ほぼ全体に及び、100億円未満の時価総額での上場企業の淘汰も取り沙汰される中、その役割はさらに大きくなっています。
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M&Aコンサルタントの仕事とは?5つの主要プロセス
商品化から契約締結まで、プロフェッショナルが導く成約の流れ
M&Aコンサルタントの業務は、企業間の“結婚”を支援するプロセスに例えられることがあります。まずクライアント企業の売りたい理由や目指す方向性をヒアリングし、その企業を「商品化」します。
具体的には企業概要書、別名インフォメーションメモランダム(IM)を作成し、数十ページにわたる詳細資料を通じて企業の魅力を整理します。次に企業価値算定、つまりバリュエーションのフェーズに移行し、決算書や市場データを基に企業の適正価格を算出します。
そして、買い手候補とのマッチングが動き出し、双方の条件を調整する段階へ進みます。マッチングが成功すると、エグゼキューション段階として経営トップ間の面談や基本合意契約(LOI)の締結に進み、最後のクライマックスであるデューデリジェンスが行われます。
ここでは買い手側によって財務・法務・業務の徹底的な精査が行われ、その結果をもとに最終契約が締結され、半年から一年という長丁場のプロジェクトが完遂します。
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日本のM&Aマーケットはどれほど大きいのか
中小企業から上場企業まで、拡大する巨大市場の全貌
国内に存在する企業はおよそ360万社。そのうち99%以上を中小企業が占め、なかでもオーナー経営の後継者不在企業は120万社程度と推計されています。
さらに、このうち黒字企業は約60万社にのぼるとされ、M&A対象企業の母数は非常に大きいと言えます。矢野経済研究所によると、事業承継市場だけでも年間13.5兆円の規模に達しています。
さらに上場企業に対して「5年以内に時価総額100億円を超えられなければ上場廃止検討」という方針も出され、上場維持のためのM&A需要も増加が見込まれており、まさに未曽有の拡大期を迎えているといえるでしょう。
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転職メリット・デメリットを冷静に考察
高報酬とやりがい、その裏にあるリスクも見逃さずに
M&A仲介業界に転職する際には、まずメリットとして、成果に応じた報酬制度が整っており、達成すれば高い収入を得られる点が挙げられます。
さらに案件を通じて経営者や役員などとの人脈が築けるため、そのネットワークは将来のキャリアにおいて強力な武器となります。転職後はファンド案件や中堅企業のM&A担当へとスカウトされる可能性も期待でき、成果主義の世界で自己成長と収益拡大の両立が図れます。
一方で、成果が求められるプレッシャーから、営業ノルマや案件のクロージングにストレスを感じることも少なくありません。また、企業によっては固定給が低く、インセンティブが中心となる給与体系もあるため、収入にばらつきが出るリスクもあります。
とはいえ、これらは投資した時間や努力と引き換えに得られるリターンであり、自己責任のもとで戦える人にはむしろ魅力的な環境でしょう。
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M&A業界に向いている人材とは
Y字の分岐で「正解」を選び続けられる人が活躍する
M&A業界で成果を出すためには、まず選択の精度と行動力が求められます。業務はまるでY字の分岐点で正しき選択を繰り返すようなものであり、その都度考え抜き、判断し、スピーディに実行していく力が必要です。
加えて、新たな知識を積極的に吸収する姿勢と、その学びを案件進行に活かす実践力も非常に重要です。さらに、案件に対して全力を注ぎ切る「オールイン」精神を持ち合わせている人であれば、M&A業界での成功はより近づくでしょう。
定型的な仕事をこなすのではなく、自ら考え、チャレンジし、結果を出していく意志を持つ人が活躍できるフィールドです。
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M&A後のキャリアパスに悩む必要はない
ファンド、役員、独立。選択肢が広がる“その後”の未来図
M&A業界で成果を残すことができれば、その先のキャリアは非常に豊かです。例えば、ファンドや投資会社からスカウトされる可能性も高く、そこでさらに大規模な案件に挑めます。あるいは中堅企業のM&A担当者として内部に迎えられ、経営に近いポジションで活躍する道もあります。
収入面でも、出来高報酬制度により高収益が期待でき、給与としてだけでなく事業報酬を得る仕組みも整っています。人脈、知見、実績、そして報酬のすべてを獲得できる極めて魅力的なキャリアフィールドであるといえるでしょう。
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まとめ
M&A業界は、知識と経験を成長させつつ、人脈と収益の両方を得られる極めてユニークなキャリアステージです。正しい思考力と行動力、学習意欲を持って挑めば、未経験者でも十分にチャンスがあります。この分野に飛び込み、自己成長と高収益という両利きを目指したい方は、ぜひ概要欄からお問い合わせください。
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